• テキストサイズ

君が笑う、その時まで

第11章 試合のあと(黒子視点)


 練習試合の後、伊織さんは用事があると言って海常高校に残りました。

 本当は彼女と一緒に帰って話をしたいところです。
 けれども僕も病院へ行かなければならない用があるので今日のところは仕方ないですね。

 病院の方で頭のレントゲンを撮りましたが異状はありませんでした。

 その後カントクに連れられて僕たちはお店に入りました。
 まさかあれほどの量のステーキが出るとは正直思いもしませんでした。
 今回は火神君が活躍してくれたおかげで一銭も払わずに済みましたが、正直あんな量の肉はもう見たくもありません。


「あ。黒子っち……」
 そして店を出たところで偶然黄瀬君と再会しました。
 彼に連れられ公園に来た僕はそこで、何故僕が全中後に姿を消したのかを訊かれました。

 僕にとってあの頃はバスケが嫌いでした。
 誰も僕を頼ることなく自分ひとりの能力でバスケをするあの頃ほど、僕はバスケやバスケをする自分自身に絶望したことはありませんでした。

「だから火神くんに会ってすごいと思いました。…人一倍、バスケが好きで真剣に向き合ってる。」

「…やっぱ、分かんねぇっスわ。」 

 黄瀬君は続けて、火神君と僕はいつか決別すると言いました。
 確かに火神君の天賦の才能はキセキの世代に遜色(そんしょく)しないものだと思います。
 けれども僕は火神君を信じたいと思います。


 ――彼とならきっとキセキの世代を倒せる、と。
/ 204ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp