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君が笑う、その時まで

第31章 Let's試食会


 声が続々と上がる。
 その中でひとり難しい顔をしていた彼が突然何かを思いついたように声を上げた。

木「あ」
日「何だよ木吉」

 木吉と呼ばれたその人は私の顔をまじまじと見つめた後、にっこりと笑った。

木「もしかして君、前に俺と会ってないか?」
伊織「ッ!!」ギクッ

 木吉先輩の一言に私だけでなく周囲が一斉に驚いた。

日「オイ木吉。まさかお前、コイツを知ってんのか……?」
黒「伊織さん。木吉先輩と知り合いだったんですか?」

 日向先輩が木吉先輩に真顔で訊ねる傍で、黒子が私から目を離すまいとじっと見据えてくる。

木「ああ。よくみま「さあ。あっしは知らないけどね」…え?」

伊織「見間違いなんじゃないですか?少なくとも私は初めてお会いしますけど」

 なるべく自然に表情を繕う。
 見れば木吉先輩はまじまじと見据えている。
 そのまっすぐな視線に私の隠したい思いが滲み出てしまいそうだった。

木「……そうか?」
伊織「え、ええ!」ビクッ
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