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君が笑う、その時まで

第18章 変化


 そうこうしているうちに楽しい時間はあっという間に過ぎ――緑間君と高尾君の秀徳コンビが帰り支度を始めた。

 緑間君は火神君を一瞥して「東京にいるもう1人の”キセキの世代”」こと青峰大輝君のことを伝えた。

 決勝リーグで必ず当たること、そして火神君が青峰君と同種の選手であることを。

 火神君はそれほど気にしていないようだったが、むしろ黒子が顔を俯けて「あの人のバスケは好きじゃないです」と言葉を濁した方が気にかかる。

(相当訳ありだね…。)


緑「まぁ、せいぜい頑張るのだよ」
黒「…緑間君!」
 
 出口に向かおうとする緑間君を黒子が咄嗟に呼び止めた。


黒「また、やりましょう」

緑「・・・当たり前だ。次は勝つ」

 そう言う彼は口調こそ変わりはしないものの、言葉には執念といえるものをにじませていた。

 そんな彼がふと振り返って、私をじっと見据えた。

緑「伊織と言ったな。……星座は何座なのだよ?」

 突拍子もないことを聞かれて目が点になる。
 しかし彼からすれば真面目な質問だったらしい。じっと見つめては答えを待ち続けている。

伊織「……獅子座だけど。それがどうかした?」

緑「……いや。礼を言う」

 そして緑間君は高尾君と一緒に店を後にした。
 
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