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【テニスの王子様】王様と私【跡部景吾裏夢】

第3章 過去


準レギュラーのマネージャーになって1週間経ったある日、洗濯物を洗濯機から取り出したところで後ろからポニーテールを掴まれ、マネージャーの先輩達に取り囲まれ。引きずり倒された。

驚いているとポニーテールを掴んだ先輩が、あんたさぁ、と言った。

何も言わず大人しくしていると、ぐい、とそのままポニーテールを引かれ、立ち上がらせられた。

転ばせたり、立ち上がらせたり、はっきりしない人たちだなぁ。

髪を掴んでいる先輩と、囲んだ先輩が4人。ポニーテールの根元を掴まれているのであまり動けない。

話があるのだと思い黙っていたら「何とか言いなさいよ!」と怒鳴られた。

「…私は、特に何も言うことはありませんが」

ドン、と背中に衝撃があって、蹴られたのだと思う。痛い。

「あんたのせいで、マユがマネージャー降格したんだよ!」

マユって誰だろう?マネージャーには番号が振られているので、下の名前までは分からない。

ていうか、降格なんて普通ありえない。その先輩、多分何かしたんだよ。

くだらない。他人のせいにして。

黙っているとまた後ろから蹴りが入った。

痛みに顔をしかめる。背中って痛い。そう思っていると脇腹に蹴りが入った。

けほ、と息を吐くとばちん!と音がして頬が熱くなった。

平手を喰らったことに対して、つい頭に血が昇る。顔だけは守らなきゃいかない気がして反射で身体が動いてしまう。

ポニーテールを掴む手を上から掴み、捻って外し、そのまま先輩を背負い投げしてしまった。

だんっと音がして先輩は背中から地面に落ちる。

ぐ、と短い悲鳴が聞こえる。背中って息ができなくなって、苦しいし痛いんだよね。さっき蹴られたから、お返し。

倒れた先輩を足で転がしうつ伏せにして、腕を捻り上げ乗った。

「で、何ですか?」

4人が後ずさる。

私の方が小柄なのに、先輩達は少し怯えている様に見えた。ボディガードをつけているお嬢さんも多いけど、最近は身を守る術を習っている人も多い。私も含めて。


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