• テキストサイズ

そうして君に落ちるまで

第6章 まずは触れてから考えよう2(コムイ)








「ありがとう。ここに置いて。」


入口のところで良いと言ったけれど、せっかくなので最後までと言うので自分の机まで運んでもらった。

もらったのは良いけどなんていうか…


「…忙しそうですね。」

「…ありがとう。」


正直改めて見る私の机はお世辞にも綺麗とは言えなくて。優しいフォローが寧ろ辛いというか…

いや、これちゃんと使いやすくなってるんです私には。


「沙優さんの部屋も面白そうですね。」

「見せないからね?」


そんな会話をしながらも、どこか落ち着かなくて。別に、たまたま会って、手伝ってもらって、それだけ。それだけだから、周りの目を気にする必要はもちろんないんだけど…



…室長いないよね。



見られたくない。なんでだろう。でも、見られたくない反面見られたい気持ちもあって。

あ、やめようこれ…。


「じゃあ、沙優さん俺いきますね。」

「うん、ありがとう。」


かけられた声にハッとすれば、優しい目がこちらへ向いてくれている。室長が私を見る時と似てると思うのは私の願望なのだろうか。

去り際にさり気なく手に触れ、その手をそのまま振る彼にこちらも手を振り返す。

撫でられた感触が残ってる。


室長。私、告白されましたけど。



それを知ったら彼は、少しは妬いてくれるだろうか。






/ 85ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp