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そうして君に落ちるまで

第2章 ifの願い(コムイ)●











「雨だ。」


こんな日には食事を調達するのがしんどくなる。
それもまぁ、今日はどうでもよかった。

空になった店はどこか不気味で、寂しげで、置いてあったものは全て自分で厳選したものだったので惜しい気持ちだ。


コムイさん。
ゴメンね。

嬉しかった。
本当に。
もう来てくれないと思ってたから。

自分と彼とは幸せになれる未来は無いのだからと、これで良かった、コレが最善だと言い聞かせていたけれど、
彼の姿を見た途端、世界が色づいた。


「…馬鹿みたい」


カランカラーンとドアが開く音が響く。

彼ではないかと、違うとわかっているのに期待した自分がイヤになる。




「やぁ、やっぱりきたね。」

「ええ。正直、迷いました。」





彼の左手が光を発する。
全身が、それを拒絶するようにざわざわと脈打った。






「このままではやりにくいよね。」





バキバキと、肉体が割れる音が響く。






それは紛れもなく、自分の依代のものだった。











「…哀れなアクマに、魂の救済を。」





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