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そうして君に落ちるまで

第2章 ifの願い(コムイ)●








正直な気持ち

「みてらんねー。」

「え?」

机に向かうコムイへと一言。

あれ以来、コムイは彼女の元へと行っていない。
かと言って自分の中で完全に過去にできていないようで、上の空で形だけ机に座っているのをよく見かける。


「会いに行けよ。」

「…そのうちね。」


何の話?と返さない時点でアウトだった。

「なぁ、そのペン何で使わない?」

コムイの胸ポケットにささるペンを指差す。
職業柄、少し前に買ってきて気に入って使っているのは気づいていたが、あの日以来使っているのを見ない辺り、彼女のところで購入したものなのだろう。

「インクが切れててね。」

「ならインク交換するなり捨てるなりしまっておけば良いだろ。俺が聞きたいのはどうして使わないくせにそんな後生大事に持ってんのってこと。」

椅子から立ち上がりコムイに近づく。

「行こうぜ。付いてってやっから。アレンも連れてこう。そうすればAKUMAが来る前に彼女から離れられるし。そんで、告るか別れるかハッキリしろよ。」


女を待たせるなんてカッコ悪いぜといえば、アジア人特有の黒い視線は、その胸に刺さるペンに落ちる。

数秒の間を持てば、コムイはガタリと立ち上がり、白衣を脱ぐと、こちらへニコリと微笑んだ。



「ラビ、買い物付き合ってくれるかい?」

「お安い御用さ。」







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