第36章 綱手姫
「……力が入らないのは、リーの筋肉に治療を行ったもののチャクラが流れていて活動を邪魔しているからだ……
だが、これはそのうち消えるから問題ない……それより…………リーと言ったな?
お前、その怪我を治療した奴に感謝するんだな……」
綱手の言葉に、ガイとリーが不思議そうな顔をした。
「……恐らく、この怪我は私にも治せないような怪我だった。
それを……しばらく筋力が落ちる程度の後遺症で治すとは……
本来なら、忍びとして生きられない体になっていても不思議はなかった。」
綱手がそう言った瞬間、ガイとリーの顔が青くなった。
「綱手様!!と言うことは、リーを治療してくれた誰かは綱手様以上の医療忍術の使い手と言うことになりませんか!?」
ガイの言葉に綱手は頷いた。
「……全く……どれだけ訳ありなんだか……」
ちらりと私を見て呟いた。
どうやらリーを治療したのが私だと気付いたようだ。
だが、私は綱手の視線に気づかないふりをした。
その後、リーの病室を後にした私は、退院すると言い張ったが念のためにともう1日入院させられることになった。