第20章 平穏
「次、流!」
私はイルカ先生に呼ばれて前に出る。
両手の指に手裏剣を挟むと、昔イタチに教えてもらったように、的に向かって投げた。
手裏剣は全て的の中心に刺さっていた。
視線を感じて振り向くと、サスケが驚いた顔で私を見ていた。
私はサスケにニヤリと笑うと、次の生徒に場所を譲った。
生徒たちのなかに交ざっていても、しばらくサスケの視線を感じた。
ようやく視線を感じなくなった頃には授業は終わり間近だった。
授業が終わると、私はアパートには戻らずにスーパーに向かった。
昨日はカップラーメンで、今日の昼はお握りだった。
夕飯はちゃんとしたものを食べたかった。
(明日はお弁当も作りたいしね。)
私はカゴいっぱいの食材を買うと、ビニール袋に詰めて帰路についた。