第2章 *名前
「なるほど。
お前はその心配をしていたのか」
青い瞳が私を捉える。
その瞳には、私はどう映っているのだろうか。
「・・・構わん。
俺の好きなようにするだけだ」
低くつぶやくと、彼は私のワンピースを大きくまくり上げた。
肌が空気に触れて、少し寒い。
スフィア様は私の服をベッドの端へ投げ捨てると、そのまま私をベッドへと押し倒した。
軋むことのない高級なベッドが、私を柔らかく受け止めてくれた。
「といったな」
「はい」
「お前は名で呼ばれるのが、嬉しいか」
質問の意味が分からなくて、思わず黙りこくってしまうと、スフィア様は私の額に触れた。
「お前を見ていると、どこか懐かしい思いに駆られる」
スフィア様の瞳がやさしく私を見つめた。
過去の想い人と重ねているのだろうか、この、汚れきった私と。
「恐縮です」
答えると、彼は何も言わずに私の肌に触れた。
スフィア様の手が私の下着に触れる。
フロントフックのそれはいとも簡単に外れると、彼の手中にふくらみが収まった。