第12章 灰羽リエーフの1日 2017
23:15
急いでお風呂を出て、パジャマに着替える。
部屋に戻るとプレゼントを持ち、急いでリエーフの部屋へ。
『リエーフ、起きてる?』
ドアの前で問えば昨日よりしっかりしたリエーフの声。
中に入ればリエーフはスマホを見ていた。
「いろんな人からメッセージ来るんですよね。
嬉しいんすけど返すの大変で…」
そんな風に言いながらリエーフはスマホを枕元に戻す。
そして私に向き直ると、リエーフはふわり、微笑んだ。
「それで美優さんはどうしたんですか?」
そう問うリエーフに、私は今日の昼頃に買ったプレゼントを渡した。
『今日、やっといいなって思うの見つけて…
良かったら使って?』
綺麗にラッピングされた袋を手渡せば、リエーフはキラキラの笑顔で私を見る。
「ありがとうございます!袋、開けてもいいですか?」
OKサインを出せばリエーフはするするとラッピングのリボンを外していく。
がさがさ、がさがさ。
広げられた不織布の袋から出されたストール。
嬉しそうなリエーフの顔。
抱きつかれ、ふわり、香る柔軟剤の香り。
「大事に使いますね。」
嬉しい。
悩んで悩んで選んだから、喜んでもらえるとものすごく嬉しい。
ぎゅっとされた体温が心地よい。
すり、と頬をすり寄せると、さらにぎゅっと引き寄せられた。
「ね、美優さん。」
あったかくて、柔らかくて、心地よくて。
そのままぎゅっとしていたくて。
「誕生日が終わるまで…ううん。
誕生日が過ぎても一緒にいてほしいです。
いいですか?」
その言葉に私は、先ほどよりもぎゅっと抱きついた。