第12章 灰羽リエーフの1日 2017
23:32
お風呂を終えた私は、リエーフの部屋の前にいた。
こんこんっ、とノックをすると、眠そうな声がしてかちゃりとドアが開く。
開いた扉の向こうにはとろんとした目のリエーフ。
『今日、こっちで寝ても…いい?』
そう問えば、リエーフはふにゃりと微笑みながら、どうぞとドアを開けてくれた。
おじゃましますとリエーフの横を通り、充電器をベッドの枕元にある電源タップに挿し、スマホを充電する。
その間にベッドに腰掛けたリエーフが、私に向かって手を広げていたので、私はそのままリエーフの胸に飛び込んだ。
ばふり。
抵抗なくリエーフは飛び込んだ私を抱きとめると布団に倒れこむ。
リエーフは私の髪の毛を撫でながらぽつり、呟いた。
「お揃いの匂いも好きだけど、美優さんはお風呂上がりが1番いい匂いがする。
甘くて、美味しそうで、食べちゃいたい。」
洗いたての髪の毛を梳きながら、するりとルームウェアに進入する手。
体が反応する前に急いで体を起こすとルームウェアに進入していた手を優しく叩いた。
『リエーフ…?明日も学校あるんでしょ…?
だったら駄目…だよ?』
やんわりと抗議をするが、なぜかリエーフの手はルームウェアから伸びる太ももを撫でる。
指先で触れるか触れないかのぎりぎりのタッチ。
ぞわりぞわりと背筋が泡立つ感覚に身体を震わせれば、リエーフは満足そうに笑う。
「ね…?美優さん。シよ?」
両手で頬を包まれいつもより甘い声でささやかれれば、私はお手上げ。
無駄かもしれないけれど、一応言っておかなきゃ。
『ね、リエーフ…?
1回だけ…だからね?』
「了解です。
誕生日1番に号最初に見るのは美優さんのとろけた顔だといいんですが…」
ぽふり、と倒される体。
すかさずお腹を這う長い指。
さて、私の体力は明日朝までに回復するのでしょうか…
不安でしょうがない…