第4章 ◇ episode 03
あれから言い合いが終わり、気分を害された銀時はの持つ皿から団子を奪い取るようにしてそのまま家の方へと向かって歩き始めた。その後を新八と神楽が追い、は不機嫌丸出しで身の中へと入っていった。置き去りにされた長谷川はただ呆然と立ち尽くし、遠くなる三人の姿を眺めていた。
そんな長谷川をおばさんまでもが置き去りにし、の後を追って店の中に入り問うた。
「ちょっとちゃん、銀さんと知り合いだったのかい?」
「別にそんなんじゃないよ。」
銀時と知り合いか、そう尋ねられれば素っ気なく否定をした。かつて自分が無差別に殺そうとした相手が知り合いな筈がない。むしろ銀時にとって自分を殺そうとしていた相手が知り合いと呼ばれるなど、それこそ迷惑な話だろう、そう思っていた。
「何があったかは知らないけど、ああ見えて銀さんはいい人だよ。何か困った事があったらあの人に言いなさいな、万事屋銀ちゃんって、何でも屋をやってるそうだよ。」
「万事屋銀ちゃんねぇ…誰があんなやつに…。」
おばさんの話を聞いても、とてもじゃないがから見て銀時はいい人には見えなかった。それどころか、”いい人そう”なんて言葉も浮かばない。結論、何があっても銀時に頭を下げて何かを頼む事など絶対にするもんかと心に誓ったのであった。
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「もうちょっと銀さん待ってくださいよ!!」
その頃、スタスタと早歩きで新八の言葉にも返事をすること無く歩き続ける銀時。相当苛立っている様だ。いくら声を掛けても振り返りもせず、うんともすんとも言わない銀時に段々と新八達の苛立ちが募る。
「銀さん!何怒ってるんですか!ちょっと!銀さんってば!」
「あーーーもううるせェェェ!!しつけェぞ眼鏡!!」
「うるさいのは銀ちゃんアル!!!」
「お前の声も十分デカいんですけど!!」
新八の余りのしつこさに遂に逆ギレをし始める銀時だったが、その言葉を神楽にダメ出しされ銀時の怒りは止まらない。外にも関わらず大声を上げる三人に道行く人が何度も振り返る始末だ。