第12章 二・其ノ壱
『しゃとにい~! かじゅにい~!』
2人のバチバチな雰囲気を裂くように可愛い声が山にこだまして響き渡る。
二『お~ 侑李 ! 大きくなったな~!』
そういいながら駆け寄ってきたその男の子を抱き上げてそのままクルクルと回る。
『あのねっ今日ねっボクがおしゃかなさん釣ったんだよ!
こ~~~~んな こ~~~~んな でっかいの!
タイっていうんだって。』
両手をいっぱいまで開きながら侑李が言っていると、智も寄ってくる。
大『凄いな~、侑李が釣ったのか?』
侑『うん! しゃとにい作ってくれた
リュアーのおかげだね。』
完全にデレデレしているところへと馬に乗った松本と侑李の父親の智久がきて取ってきた魚を披露する。