第11章 其ノ拾
木漏れ日が差し込んできて、目を覚ますと
相葉の腕の中に抱かれていて、潜り込むように抱きついて再び目を閉じた。
相『…和也。 和也起きて下さい!
才蔵と影丸殿が一戦交えているそうです。
私たちも行きましょう。』
二『え…。 わかった。 すぐ支度しよう。』
布団のそばにはもう支度と刀とが
揃えて置いてある。
二『雅紀… ありがとうな』
まだ、やっぱり兄上を想う気持ちは
消えることはないし、しようと思って出来ることではないと思う。
…だけど、今は雅紀の事をきちんと
気持ちに答えてあげたいと思った。
相『…行きますよ』
背を向けたままで、首を横に振ってそれだけ言うと先に庭先へと出て待つ。