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【HQ】Egoist

第6章 許されない過去(四宮視点)


 子供の頃から勉強もスポーツも卒なくこなし、友人関係も良好で、大人達からも好かれている事が子供乍分かっていた。何をやっても上手くいく為、熱中出来るものが無かった。

 中学生の時、何となく始めたバレー。個人の技術だけでは繋ぐことの出来ないバレーという競技に私はみるみるうちにハマっていった。元々運動が得意だった為、先輩達を差し置いて一人一年でレギュラーを勝ち取った。普通なら妬みや僻みもある所なんだろうけど、元々先輩達から可愛がられていたこともあって、そういうのは一切無かった。顧問からも気に入られ、主将、副主将とも仲が良く、練習すればした分だけ身についていく技術、そのおかげで部活は楽しかった。

 高校生になり、女子高へ入学した。
 異性から美人だなんだと言われる事は悪い気はしなかったが、中学三年生の時にバレー雑誌で美人セッターなんて取り上げられたせいで、変な追っかけができて、両親がそれを心配して女子高への進学を勧めた事、バレーの強豪校であった事を理由に女子高へと進学した。
 高校に入ってからも私は一年で唯一レギュラーを獲得し、インターハイに出場した。インターハイは惜しくも決勝で敗退してしまった。高校でも先輩や監督との関係は良好で、先輩達から可愛がって貰っていた。そして、監督との交際もスタートし、皆には秘密の関係というのが私を熱くさせた。
 春高予選は準決勝で敗退となり、また悔しい思いをした。そして、練習に明け暮れる日々。

 二年生になり、後輩が出来た。入部した一年生の中で、芸能人かと思う位とびっきり可愛い女の子がいた。それが莉緒だった。初めて莉緒のプレイを見た時は正直驚いた。莉緒は自分の手足の一部かのようにボールを扱っていた。そんな異質な才能を持つ莉緒は先輩達からの嫉妬の対象へとなった。けど、私は私が上げたトスに狂いもなく、まるで昔からの相棒みたいにタイミングを合わせスパイクを決める莉緒の事を気に入っていたため、莉緒が何か言われる度に、私は莉緒を庇っていた。


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