第24章 【番外編】似たもの同士の出逢い(京谷賢太郎)
久しぶりに出た部活、インターハイも終わったし、五月蝿い先輩共も引退してたとばかり思ってた。昔からいけ好かない先輩であり、今となってはバレー部の主将でもある及川の顔に思わずゾクッとして後ろに下がると誰かとぶつかった。
「あれ?何で賢太郎がいるの?」
ぶつかった相手は莉緒だった。は?なんで莉緒がここに…?
「オイ、聞いてねーんだけど、サークルの事。」
「…ごめんなさい。」
何度勝負を挑んでも唯一勝てなかった岩泉さんに睨み付けられる莉緒を咄嗟に庇った。
「莉緒が怖がってるじゃないっスか。」
サークルにいる時から思ってはいたが、コイツはやたらと人の目を惹いて、色んな奴に声を掛けられたり、悪意のある目で見られたりしていた。…ここでもそうなのかよ。莉緒は俺が守ってやらねえと。俺にとって莉緒は大事なセッターであり、唯一心許せる相手でもある。
「ここの皆は大丈夫だから。」
そう言って優しそうな笑みを浮かべた莉緒。
莉緒はそう言ったが、コイツら信用ならねえし、俺がしっかりしねえと。