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【WJ】短編

第2章 【甘】キミに恋してる/黒尾鉄朗


 元々大好きなカフェだったし、働くのが楽しかった。彼と出逢ってから、彼に会える時間が楽しみで、バイトの時間がもっと楽しくなった。シフトの日に、毎回彼が来る訳じゃないけど、今日は会えるかな?明日は会えるかな?とドキドキしながら仕事をするのが好きだった。
 だがしかし、


「うわー超ちっせー!中学生みたい!」
「君、かわいいねー。」


 逢崎遥香19歳。バイト中に人生最大のピンチです。チャラチャラしたお兄さんたちに囲まれました。


「歳、幾つなの?」
「…19です。」
「俺らの1つ下じゃん!ちっせーな!」


 一応お客さんである彼ら。小さい、かわいいと私をからかって、レジを占拠する。相手はお客さんだし、どうしたらいいのかと考えるけど、打開策が見つからない。


「ねえ、連絡先教えてよ。」
「…仕事中なので、困ります。」
「それってさ、仕事終わってからならいいってこと?」


 違う。そんなわけない。本当の本当に私は困ってるのに、全然相手は引こうとしてくれない。幸い、朝一ってことで、お客さんが他にいないから、まだ他のお客さんの迷惑にならないからいいけど、こんなにグイグイこられると、本気じゃなくて、からかわれてると思っていても、かなり怖い。レジのカウンター1枚挟んでるけど、本当に怖い。裏でまだ仕込みをしている先輩が早くフロアに戻ってきてくれないかと、バックヤードの方を見るけど、まだ出てきそうな気配はない。



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