第3章 目覚めた場所は
『ったた……!』
激しい衝撃に倒れ込んだ私は、ぶつけた頭をさすりながら上半身を起こした。
あんスタに気を取られて電柱にぶつかったのだと思う。
うわ〜、恥ずかしい!
いくら和美しか見てないとは言え……めっちゃアホじゃん。
きっと和美の忠告を無視した天罰だな……。
そんなことを考えながら立ち上がろうと腕に力を入れる。
──そして、そこで異変に気がついた。
『あれ、何ここ……』
あたりはさっきまでいた通学路ではなく、学校の廊下のようなところだった。
しかもうちの学校じゃない。でもなんだか、見覚えがあるような……?
混乱して、頭が真っ白になった。
だって、私はさっきまで間違いなく和美と話してて。
それでたぶん電柱にぶつかって……次の瞬間知らない場所に?
そんなの、ありえないでしょ。
結局立ち上がるのをやめて、数秒間座り込んだまま呆然としていた。
「おー、派手にコケたなぁ」
と、すぐそばから男の人の声がした。