第2章 転機
『あまりにもよく出るからさ、推しって言うほどじゃないけど、なんか愛着湧いてきちゃって』
「そんなこと、KnightsPに言ったらぶっ殺されそうだけどね」
『ホントにね〜』
苦笑いしながら、私は曜日別プロデュースを始めた。
せないずもせっかく出たんだし、早く育てて上げないと。
トントン、と適当にタップしながら歩く。
「ちょっと夕姫、ちゃんと前向かないと危ないわよ」
『ん〜、これだけ』
これだけは終わらせてしまおうと、和美の注意を無視して、タップする速度を速めた。
そして最後のドリフェス予告が出たところで
「あ、夕姫あぶなっ……!」
───ゴンッ!
『え?』
和美の焦った声が聞こえたと思ったら、次の瞬間、とても大きな衝撃が来て。
私は、上と下がわからなくなるくらい不自然にグラグラと揺れて、勢いよく倒れた。