第2章 転機
『和美!ねえ新しいイベ予告見た!?』
「あったり前よ。次イベ……走るわ」
6月上旬。あんスタのイベント予告が発表された翌朝、私は親友の和美に話しかけた。
『傾け!梅雨払いの錦』……、次イベは、紅月イベだ。
トリスタ箱推しPの私と違い、和美は紅月P、それに鬼龍くん推しだ。気合いの入り方が違うのが見てわかった。
「ふふ……、今回は財布に余裕があるからランボでも全然いけるわ。どんとこい!」
『おお〜凄いね和美。トリスタはガチャもたぶんしばらく来ないだろうし、私は今回温存かな〜』
「そうね、でも☆3はわからないわよ?」
『あ〜、そっか〜。真緒とか☆3めっちゃくるもんな。今回も来そう……』
「いずれにせよ、気が抜けないわね」
和美とイベント考察をすると、俄然テンションが上がった。
明日はスカウト発表か〜、次は弓道部とかかな?
でも今回☆4蓮巳だし、もしかしてバスケ部?
バスケ部だったら明星と真緒がいるから回さないと。まあ前回貯めたダイヤがあるから、スカウトなら多少課金すればたぶん大丈夫だな。
ぼんやりと、そんなことを考えながら歩く。