白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第6章 変わるモノ変わらないモノ変われないモノ
強引過ぎる哀川さんの考えに
「そんな勝手な!
俺は姫凪しか愛してない!
結婚した所で
またハナさんは傷付きます!」
思わず声を荒げてしまうけど
「君の気持ちだって
そういう環境になれば変わるよ
だから心配要らない
もちろん彼女も
君が結婚したら
変わって行く」
静かに柔らかに否され
「酒が進んでないよ
薄くなったらせっかくの
香りが台無しだ」
放ったらかしにして
アセをかいたグラスの中の
薄くなった酒に
濃い酒が注ぎ足され
また勧められる
「酒はもう結構です
それより…」
「あぁ、チャンスの話だね
君と彼女の絆
試させて貰って良いかい?
君とハナの事を
彼女が疑わずに居られれば
私は引き下がる」
「ここに来たって事は
断る気でいたんだろうし
彼女にもそう伝えてるはずだ
それでも君はハナと
見合いをする
もちろん彼女には内緒で。
彼女はどうすると思うかな?
君に裏切られたと憎んで
離れて行くか
それとも君を信じると
言い切ってくれるか…」