白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第6章 変わるモノ変わらないモノ変われないモノ
「姫凪~
用意出来たかァ?」
『うん!出来た!
…でも、なんか…』
ご飯を食べて支度を整えて…
身体はいつでも出勤出来るんだけど…
「どうしたァ?」
『一緒に出勤って
初めて…だし…』
まだ心の準備が、ね?
もちろん気恥ずかしいとか
そう言うのもあるんだけど
「なーんだ、そんな事かよ
堂々としてれば良いって
社内恋愛は禁止だけど
別に捕まるわけじゃねぇしさ
俺がこの先
責任持って食わせて行くから、な?」
『うん…嬉しい…よ
ただ…急に辞めるってなっても
チームの人に
迷惑掛かるかな、とか…』
昨日は寿退社大歓迎な
気分だったけど
冷静に考えたら
社会人として
カナリ無責任だな、と
思ったりなんかして…
「…確かに…お前が抜けるのは
俺らにとっちゃ痛手だし
それ以上に、お前の事だ
めっちゃ気に病みそう…」
私の言葉に
んー…と唸って腕を組む鉄朗
「プロジェクトが上手くまとまるまで
内緒って手もゼロじゃないけど…」