第6章 変わるモノ変わらないモノ変われないモノ

〈…まぁ、少しはね。
で？上手く行ったの？〉

やっぱりか！とツッコムより早く

「まぁなァ！
つーか、聞いてくれよ
姫凪がさ…」

惚気が口から溢れる俺に

〈浮かれ過ぎ。
上手く行ったなら良かったよ
惚気はまた後日聞くから
とりあえず日曜日だけは
よろしくね？
ドタキャンは当然たけど
遅刻も厳禁だから〉

研磨が淡々と話して
一方的に通話が切れた

日曜日？なんかあったっけ？
…ま、いっか。
どーせ手伝いとかなんかの
約束だろ。

研磨はもう繋がらねぇだろうし
後惚気られんのは…

浮かれまくる頭は
深く考えるという思考を排除して

携帯の電話帳の"あ"から順に
指を滑らせる事しかさせない

「東峰…岩泉…牛島…及川…
あ行はなんか微妙ですなァ…」

ヘラヘラ笑いながら
入ってる名前に文句なんか付けてると

【ハナちゃん】

ディスプレイが光り
名前が浮かぶ