白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第6章 変わるモノ変わらないモノ変われないモノ
なるべく普通を装って
机の上の書類を見て笑ってみせる
結構な量の書類に
「赤葦オニか!
早出は残業と違って
手当てつかないんだから
無理しなさんな」
零す苦笑い
大丈夫か、俺
チャント話せてんのか?コレ。
自分の声が掻き消されるくらい
バクバクしてる心臓を
『ち、違うくて!
クロ…が早く来ると思って
先に来て…待ってた』
更にポンプさせる
姫凪の声
お、俺を!?
まじ?なんで?!
『あ、あの…昨日
あの子チャント帰れたの、かな?』
気になるのか!?
ヤキモチ?!
…なんてな。
浮かれてる場合かよ。
落ち着け
もう終わったんだ
終わらせたなきゃ
なんねぇんだ
姫凪にはオイカーくんが居る
邪魔しちゃ駄目だ
「…あぁ。
研磨に連絡先聞いて
確認したら
大丈夫だってよ」
『え?そう、なの?』
「おぅ。
どうせこれからも会うから
連絡先交換しといた」