第6章 変わるモノ変わらないモノ変われないモノ

俺の声にビックリして
携帯を触ってた指を止め

「そう仕向けたくせに
今更なに言ってんですかァ？」

「…何か、あったの？
姫凪は？
とりあえず入りなよ
落ち着かないと…」

俺を部屋に招く

落ち着く？
落ち着いてるさ。

落ち着いてるから
ここに来たんだ

今じゃないと
明日になったら
アイツの顔を見たら

また踏み出せなくなるから

「あの子…ハナちゃんの
連絡先教えてくれて
酔い潰れたまんま
部屋に帰したから
様子見て来る」

今、離れないと
心も身体も

アイツから…。

「…名前いつの間に？
教えてないはずだけど…」

「俺の情報網と
コミュ力甘く見ないでクダサイ
ほら、教えろよ
俺に進めって言ったのは
研磨だろ？
頼むよ…」

「…良いの？
おれはただ…」

良くても良くなくても
もう終わるんだ
この未練がこれ以上
姫凪を傷付けない様に

姫凪がアイツと…
オイカーくんと
幸せになる為に…。