白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第6章 変わるモノ変わらないモノ変われないモノ
「…意味分かんね…」
「はい?」
「あ、すいません
この先を右で…」
オイカーくんと姫凪の
密会現場を見てしまった俺が
乗り込んだタクシーを
走らせた先は
「これ。釣りは大丈夫です」
研磨の家だった
「…なに?珍しいね、こんな時間に」
学生時代とは違い
まだ目がシッカリ開いてる研磨に
「…今日、姫凪と
飯、食ってた?」
掠れた声で話し掛ける
「…あぁ。
食べたよ
だからなに?
駄目なの?」
俺の質問の意味が分からず
ぶっきらぼうに応える研磨
駄目に決まってんだろ
姫凪に近付くな
俺の居ない所で
勝手な事すんな
胸いっぱいになる独占欲を
全部全部飲み込んで
「…別に。
あのさ、見合いの事なんだけど…
あれ、受けるから
相手の連絡先教えてくんね?」
前に進む意思を研磨に伝えた
「は?マジで言ってんの?
絶対断ると思ってたんだけど」