白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第5章 歪みに飲まれる愛
切り傷を見せると
「は?こんな怪我
俺にどうしろってんだ?
舐めてりゃ治んだろ、こんなもん
手当するまでもねぇぞ」
私の手を見た瞬間に
岩泉さんがプイと
そっぽを向いてしまう
もしかして、とは
思ってた
思ってたけど、まさか本当に…
『…ヤッパリ及川さん…
ウソついてたんですね』
騙されていたなんて!!
鉄朗ゴメンナサイ…
無知で無謀な私をユルシテ…
「…傷を甘く見ちゃダメって事を
言いたかったんだよね
及川さんは…」
『だからって
ウソつかなくても…!
キノコ生えたなんて話
信じた私がバカだった…!』
自分の軽率さを棚にあげて
及川さんを責めてしまう事に
胸は少し痛むけど
そうでもしないと後悔の波に
ガッツリ飲み込まれてしまいそう…
文句も散々言ったし
サッサと帰ろう
ココからならタクシーを使っても
大した金額にはならないだろうし…
『あの…』
「あ、悪ぃ。
仕事場から電話だ
傷は舐めときゃ治る
後はテキトーに
及川(ソコノ)に
介抱して貰えや」
え?今なんて??