白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第5章 歪みに飲まれる愛
そう思ってたのに
「キミには俺が
そんな悪人に見えてるのかい?」
うぅ…!
そんな顔しないでクダサイ!
捨てられる仔犬みたいな
寂しそうな目で
私を見つめてくる及川さんに
『いえ、スイマセン…
そういうわけじゃ…』
強気に行く気持ちが萎えていく
「疑うなら岩ちゃんに
ここまで迎えに来て貰うよ
どうせ今日は一日暇してるはずだからね」
『え、そんな…』
"悪い"そう続けるのを
見越した様に私に背を向け
【岩ちゃん】とやらに電話をかける
及川さん
岩ちゃんさん!どうか断って!
「秒で来るってさ」
なんでよー!
暇かよー!!
『いや、あの…
やっぱり私…』
「なに?もう来ると思うけど…」
『あ、そうですか…
すいません…』
どうしよう
迎えに来た人に帰れなんて言えないし
怪我も気になるし
「随分偉くなったな、クソ川
女と居るから迎えに来いだ?
何様だ、このボケ」
ひぃ!この人に逆らえる気がしない!!
背は及川さんより低いのに
声も圧も鋭過ぎる
岩ちゃんさんに"帰るって言葉は
胃の奥底まで飲み込まれた