白昼夢第4幕【月桃模様ーさんにんもようー】黒尾✖及川 ®18
第6章 変わるモノ変わらないモノ変われないモノ
冗談交じりに話しながら
パスタを頬張るオイカーくんを
「いや、笑い事でなくてだな…」
呆れながらに制そうとすると
「笑い事だったら
呼び出さないさ」
急にトーンが真面目になり
場の空気がピリッと
張り詰めた
「姫凪ちゃんとヨリを戻したくせに
コソコソ見合いするって
どういう思考回路してんのさ?」
「それは…」
研磨にすら話してない事を
オイカーくんに全部話すのは
どうか、とか一瞬過ぎったりはしたけど
「どうせ溜め込んでんでしょ?
話なって
昼休みはそんなに長くないよ」
張り詰めた空気を壊す様に
優しく吐き出された声に
昨日の夜から重くのしかかって
苦しかった事柄から
解放されそうな気がして
俺は昨日の哀川さんとのやり取りを
オイカーくんに話してた
静かに相槌だけ入れてたオイカーくんが
「…バーカバーカ。
ホント不器用だね、キミは」
話し終わったタイミングで
大きなため息と一緒に
濃いタバコの煙を吐き出した