刀剣乱舞 マニアックなシチュエーション短編集(R18)
第1章 和泉守兼定~ヘアアレンジ~
ーーーそれは、不意の思い付きでした。
審神者となって早三年。
彼を見た時、全ては始まった。
所謂一目ぼれというやつである。
彼の愛しい所を上げれば、きりなど無いし、何もかもが好き、というのはこういうことを言うのだろう。
「好きです」
何度も何度も言って、周りの刀剣たちにも協力してもらって、ようやくつかんだ立ち位置、恋人。
刀と人、重臣と主人、生きる時も違えば、共に居られるときも少ない。
だが!それがなんだ!そんなもの全て我が愛の前では無意味なのだよ!!
私の愛は今日も衰えることなく、彼に注がれているのです。
そんな愛しき彼とは………
「貴方だよ、兼さん!!」
「弥刀、今何時だと思ってんだ」
夜中の一時という素的時間に騒ぎ立てる私を前に、彼はげんなりとした顔を見せた。
因みに、就寝室は一緒なので問題はないぜ。
「兼さーん!今日もかっこいいね!美しいね!首筋が素敵だね!目の色が何処にもない色だね!」
「おい、弥刀」
「髪の毛綺麗だね!さらっさらだね!そして何よりも………」
「弥刀。」
優しく私の名前を呼ぶその声も好きです。内心付け足して、私はあきれ顔の貴方に言った。
「生き様が真っ直ぐだね」
「!」
この言葉が、実は何より彼の心を射抜く事を、私は知っている。
卑怯だけど、この言葉を最後に持ってくれば彼も許してくれるのだ。
殺し文句は沢山あるけれど、私はこれを彼に伝え続けたい。
何度言っても、飽きる事など無い言葉だから。
「兼さん、愛してる」
「………おう、俺も、その………愛してる」
「うん。………じゃあ、髪の毛弄ってもいーい?」
「……………は?}
間の抜けた彼の声がする。
「いーい?」
「おい、待てこら」
「まーてーなーいーよー!触らせて、というか弄らせて!」
「子供か!!つか、おい、寝るんじゃなか………だー!触るんじゃねぇ!!」
「………駄目なの?」
「うっ」
「………駄目なの?}
「…………………い、いいだろう。」
「やった!」
私はガッツポーズをとって、彼の髪に手を伸ばす。
が、次の瞬間その手を掴まれた。
兼さんの顔を見上げると、先程褒めた目が私を見ていた。
「ただし、俺にも触らせろ」
「………もちろん!」