• テキストサイズ

【DB未来トラ】想い

第10章 エピローグ




「ユメも一緒に来て」


 そう言ってトランクスはユメの手をとった。

 手を引かれて廊下に出ながら、トランクスが前を見たまま呟くのが聞こえた。


「もう、気付いたらユメがいないっていうのは嫌だから」


 目を見開いてトランクスの後姿を見るユメ。


 そのまま、トランクスは隣の自分の部屋へ入る。

 初めて入ったトランクスの部屋は、白と黒を基調としたシンプルな部屋だった。

 男の人の部屋という感じで、なんとなく気恥ずかしかった。


 トランクスはユメから手を離すと、机の引き出しから小さな箱を取り出した。

 そして、ユメの方を振り向く。


「あっ!」


 トランクスの手に掛ったそれは……あの、片翼のネックレスだった。


「これ、ユメにまた逢えたら渡そうと思っていたんだ」


 ユメは震える手でそれを受け取る。


 そう。自分の世界に戻って、確かに着けていたのに、これが無くて……。


 すごく悲しくて……。


「ト……トランクスのは?」


 見ると、トランクスはネクタイを緩めていた。

 そこに、同じ片翼のネックレスが見えていた。


「これを着けていると、頑張ろうって思えるんだ」


 そう言って、片翼の部分を優しく握るトランクス。


 ……ユメもネックレスを身に着ける。

 半年振りに触れた金属の感触は、やっぱり温かい気がした。


 それを見て、トランクスが嬉しそうに笑う。


「良かった。渡すことが出来て……」


 ユメも片翼の部分を強く握り締めて言う。


「ありがとう、トランクス。……嬉しい」


 心からお礼を言うユメ。

 だが、その時チクリと胸が痛んだ。


「ユメ?」


 ……今回は、こうやってまたトランクスに逢えたけれど。


 こうやってもう一度ネックレスを着けることができたけれど……。


「……今回は、いつまでこの世界にいられるんだろう……」


/ 98ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp