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【DB未来トラ】想い

第7章 四日目



 笑顔の消えたトランクスを、リィナちゃんが不思議そうに見上げる。


「おにいちゃん?」

「リィナ、ちょっとこっちにいらっしゃい」


 お母さんに呼ばれてしぶしぶトランクスから手を離すリィナちゃん。

 ティム君も自分のお母さんの元へ駆け寄った。


 都の役所の人……?


 ユメの心は不安にざわついた。



「何からお話ししていいか……」


 ティム君のお父さんが言葉を探すようにゆっくりと口を開いた。

 そんなに言い難いことなのだろうか。

 ユメはドキドキとする胸を押さえる。

 ティム君のお母さんが「あなた」と静かに先を促す。

 お父さんは頷いて、トランクスをまっすぐに見つめた。


「私は……いや、私たちは……貴方に謝らねばなりません」

「え……」


 トランクスが目を見開く。


「この都の人間は、皆、貴方のことを誤解しています。私も……昨日までその中のひとりでした」

「僕たちもだ」


 リィナちゃんのお父さんも同じようにトランクスを見つめる。


「本当に、すまなかった」


 そう言って、二組の夫婦が深く頭を下げた。

 子供達は揃ってキョトンとした顔。


 ……トランクスはそれを見つめたまま何も言わない。

 いや、突然のことに言葉が出てこないのだろう。

 ユメも同じだった。言葉が、出なかった。

 ブルマだけが、ただ静かに事の成り行きを見守っていた。


 ティム君のお父さんが顔を上げて続ける。


「昨日……あの事件の後、役所に電話が殺到しました。中には直接来る者もいました」


 ――昨日の事件。

 聞いた途端、胸の奥がズンと重くなった気がした。でも――。


「半分は……貴方を非難するような内容でしたが、もう半分は、貴方に感謝の気持ちを伝えて欲しい、というものでした」


 ……え?

 今、何て言ったの……?

 ――貴方に……トランクスに、感謝の気持ちを……?


 ユメは自分の身体が小さく震えていることに気がついた。


 トランクス……トランクス……!!


 心の中で何度もトランクスの名を呼んだ。



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