第7章 四日目
リィナちゃんの隣にはお母さんと、あの時と同じように弟くんを抱っこしたお父さん。
それだけじゃなかった。
リィナちゃん親子の後ろに、もう一組の親子。
そのリィナちゃんと同じくらいの男の子とお母さんには、なんとなく見覚えがあった。
……そうだ!
(昨日、トランクスが助けた男の子と、そのお母さん!)
「ユメ」
笑顔のトランクスが、目を真ん丸にしたまま固まっているユメを呼ぶ。
ユメははっとして、ゆっくりと皆の方に足を進めた。
「先日はリィナがお世話になりました」
リィナちゃんのお母さんがユメに頭を下げる。
「あ、いえ!」
大きく両手を横に振るユメ。
……状況が把握できない。
なんで、ここにリィナちゃんが……?
リィナちゃんはトランクスがここに住んでいることなんて知らないはずだ。
頭の中が疑問符でいっぱいのユメ。
と、そんなユメを見てトランクスが言った。
「リィナちゃんとね、ティム君、お友達なんだって」
「そうなのー! ティミーにね、昨日おにいちゃんに助けてもらったって聞いたの! すごくカッコ良かったって!!」
まるで自分のことのように興奮してトランクスの腕を取りブンブン振り回すリィナちゃん。
「こら、リィナ」
お母さんがそんなリィナちゃんを窘め、後を続ける。
「それでその人の容姿を聞いて、リィナがあの時のお兄ちゃんだって。奥さんに聞いてカプセルコーポのトランクスさんとわかって……リィナが会いに行くって聞かないものですから」
次にティム君のお母さんが笑顔で口を開いた。
「私はどうしてももう一度会ってトランクスさんにお礼をしたいと思っていましたので、奥さんと一緒に伺おうってことになりまして。……なんだか大人数で突然押しかけてしまって、すみません」
「いえいえ!」
ブルマが嬉しそうに手を振る。
「もしお時間がありましたら是非上がっていってください。トランクスを気に入ってくれているようですし、この家ムダに広いですから、子供たちもきっと喜びますわ!」
それを聞いてリィナちゃんが大喜びで何度もジャンプをした。――勿論、トランクスの腕を握ったまま。