第2章 リトルアンダースタン
「高尾、なんなのだよこのおしるこは!まずい!こんなのおしるこへの侮辱としか思えないのだよ!」
「はぁ!?知らねえよ、こっちは全力で購買の人混みかきわけて買ってきたんだっつーの!」
「あ、分かります!それまずいですよね!ババロアの中に落とした10円玉の味がします!」
「え?鶴子なんて!?」
あれからというもの、わたしと、香織、高尾君と緑間君は、よく一緒にいるようになった。
香織曰く、いわゆるいつめんとかいうやつだそうだ。
「ここの購買のおしるこ、やめておいた方がいいですよ。とにかくまずいです。あ、でも外の自動販売機のおしるこは美味しいです!オススメですよ!」
「外の自動販売機…あそこのおしるこはたしかに美味だったのだよ。小豆の質が違うな」
「ですよね!夏にはつめた〜いもあるみたいで、楽しみです!」
「す、すげえ…真ちゃん達の会話がハイレベルすぎる…!」
「こう見えて鶴子、おしるこにだけは目がないからね…」
緑間君はどうやらおしるこが好きみたいで、結構話が合う。
高尾君は、どうも誰にでも親切なようで、何よりもどんな相手とでもひるまず話す。
やろうと思えば、シマウマとも会話が成り立ちそうなレベルだ。
もちろんわたし達にも優しくしてくれるし、話も面白くて一緒にいて楽しいんだけど…
高尾君の目は、いつも何かを見透かしているみたいで、時々こわい顔をする。
他の人は違和感を感じないのだろうか。
わたしの思い違いなのか…