第2章 やっと一歩
《葵:わたし、歌手になりたい》
〈翼:急に、なに?〉
《葵:歌って聞いてるだけで心が落ち着く。わたしは、そんな歌を皆に届けたい》
〈翼:お前、まだ・・・〉
《葵:わたしが瞬に振られたからって気を使わなくていいよ。なにも、振られたのが理由とかそんなんじゃなくって、ただ純粋に歌が好きなの》
〈翼:・・・なら、俺はお前の一番のファンになる〉
《葵:翼・・・。うん、ありがと》
葵が失恋して、迷いが吹っ切れて歌手になりたいと強く決意。そして、翼との距離が縮まる場面。
ここは、色々な感情が入り交じっているため、表現が難しいうえに伝わりにくい。
『下野さん····』
「ん?なに、そんな深刻そうな顔して」
『出来そうな気がしませんっ!』
今日は実際に映像に合わせてわたしたちの声を重ねる。
こんなの、公開処刑だぁっ!