第2章 的場さんと私(2)
「っ・・・!」
「まだ、ですよ」
相変わらず笑みを浮かべている的場を睨む。
彼の加虐心はどうにかならないものかといつも思うのだが、言ったところで変わることは決してないのだろう。
それは自身が重々理解している。
続けて的場は先走りで濡れた指を、の後孔にあてがった。
何をされるか容易に想像出来たは一瞬ビクリと体を震わせたが、的場は構わずに指を奥へと進めた。
「んッ・・・!」
異物感にギュッと目を瞑る。
それと同時に中も締め付けていたらしく、的場は小さく笑いながら言った。
「ほら、力を抜かないとがツラくなりますよ」
「っそんなこと言われても・・・!」
慣れないものは慣れない。
そう続けようとした瞬間、中に入れられた指がバラバラに動かされ、何度も繰り返し出し入れされた。
だが触れてほしい場所には触れられず、もどかしい気持ちが込み上げてくる。
「ゃッ・・・的場、さん・・・ッ!」
ギュッと腕に力を込めると、必然的に的場と密着する形となった。
的場はに悟られないようにニヤリと口の端をつり上げると、しがみつくを無理矢理引き離し、体を反転させた。
突然のことに、は咄嗟に壁に腕を付いて直撃を免れる。