第3章 次の任務へ
ザアァァァ―――
熱い湯が、頭から足の先まで流れ落ちる。
強張っていた筋肉が弛緩していくのを感じながら、目を開けた。
報告が終わって、シャワーを浴びるこの瞬間が、一番リラックスしているような気がする…。
あの後無言でアキを睨みつけていたら、所長もハルも言いたいことが分かったみたい。アキは自分のせいだとは思っていないみたいで、不貞腐れていたけれど。
私がアキの下についたのは…というか、組織に入ったのは一年前。
こう言うとありがちだけれど、命を助けてもらった。その時に拾ってもらったのだ、アキに。
『お前、どうすんの。…これから』
月も出ていない暗い夜。炎を背にした表情は逆光のせいで見えない。無言で俯いてしまった私に、あの人はぶっきらぼうで優しかった。
『じゃ…俺のとこ、来い』
キュ、と音を立ててシャワーを止める。
タオルで身体の水分をさっと拭き取り、カゴに入れてあった制服に身を包む。
洗面台の鏡を覗き、疲れの見え隠れする顔を叩く。
「よし…!」