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【鬼灯の冷徹】ダイアード災厄

第5章 花蟷螂 ※一応R指定



軽く身支度を整え、鬼灯様に連れられ天国へ向かう門へ向かう。

服は未だ男物ではあるけど、鬼灯様曰く

「あっちで新調出来ます。目立ってはならないので貴方が直接お買い物を出来るわけではありませんが、まぁ、あいつなら貴方の好みを見繕う事なぞ容易いでしょう」



今の私は生者。
亡者の皆さんからしてみれば、
「そこにいるはずのない存在」


まぁ、オバケみたいなものだそうな。それは天国でも地獄でもおなじこと。
安寧に暮らす者達を脅かしてはいけない。
それに、あの世はまだまだ未開の部分が広く、閻魔様や鬼灯様でも把握しきれないような魑魅魍魎の類も跋扈しているという。


大きな門をくぐると、ふいに空気が変わった。


淀んでいた地獄の空気とは違い、澄んだ空気。
地上のそれによく似てはいたけど、それとも違う、なんとも言えない喜びに満ちた空気。


「さ、目指す桃源郷はまだ先です。少し遠いですが歩けますか?」


「はい」

私たちは一歩、踏み出した。
忍び寄る妖艶な目線にも気づかずに。
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