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[名探偵コナン]マティーニにお砂糖を

第43章 長い夜/S様へ


「ていうかそういう計画なら私にも教えておいてくれたってよかったじゃない。初めから警察がいるって知ってたんでしょ?」
「絶対にいるって確証は無かったのよ。だから貴女に無用な心配をさせたくなかったの。」
3人が無事だったことが分かると、安堵の次に湧き上がった感情は怒り。
私にもきちんと話をしてくれていればここまで迷惑を被ることも無かったはずなのに。

「そもそも俺はパーティ会場から動くなと言ったはずだが?」
「何も説明されずに突然そんなこと言われたって、ハイそうですかと従えるわけないじゃない!」
「結果的に無事だったんだからいいじゃねえか。」
「今そういうことを言ってるんじゃないでしょ!話をすり替えないでよ!」
段々とイライラしてきてテーブルに拳を叩きつけた。
私だけが何も知らなかった、仲間はずれにされた寂しさと悔しさからまたじわりと視界がにじむ。

「あーあ見てらんないわ。私ちょっと出かけるから、喧嘩でもなんでも存分にどうぞ。」
ひらひらと手を振るとベルモットはリビングから出て行った。
「兄貴、行かせていいんですかい?」
「大方変装でもしていくんだろう。あいつに心配なんてするだけ無駄だ。」
吐き捨てるようにジンは言う。
洗面所の方で少しの間物音がしたかと思うと、玄関のドアが開く音がしてベルモットの足音は聞こえなくなった。

「ウォッカ、お前も少し外せ。」
こいつと2人で話がしたい、と告げたジンに、ウォッカは少しだけ考えるような仕草を見せてちらりとこちらに視線を投げる。
「じゃあさくらさん、シャワーお借りしていいですか?」
私が頷いたのを確認すると彼もこの部屋から出ていった。
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