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[名探偵コナン]マティーニにお砂糖を

第35章 誘拐未遂事件/安室


「狙うなら胴だって習わなかったんですか?下手くそが頭狙ったって当たりっこない。」
つう、とさくらさんの頬を鮮血が流れる。
しかしそれを気にも留めず、彼女は高らかに足音を鳴らして男の眼前で踏み切ると、そのまま右足で男の首元を薙いだ。

「ロ、ローリングソバット…。」

いつからいたのか、運転席から下りてきたと男と心の声が重なる。
さくらさんが地面に置いた鞄を拾い上げたのを確認すると、その男はパチパチと両手を叩いた。
「いやあ姉ちゃん強いねぇ。コイツらもそこそこやる方なんだけどね、全然歯が立たないんだもんビックリしちゃった。…何者だ、アンタ。」
腕が立つなんて情報は依頼者から貰ってなかったぜ、とさくらさんを睨みつける。

様子からして恐らくこの男がそこらで伸びている奴らの頭なのだろう。
雰囲気から他とは一線を画しているのが分かる。

「ただの医者です。昔少しだけ護身術を習っただけの。それで、あなたは依頼主を知っているんですか?」
鈍い金属音がして今度は銃口が男の方を向く。さくらさんの手中にあるそれはさっき彼女の頬を切り裂いたものだ。

「おっと、その物騒なもの下ろしてくれよ。俺は丸腰なんだぜ?…ちょっと待ってくれ、その依頼主と電話で話させてやるよ。」
男はポケットから携帯電話を取り出して数回画面をタッチすると、ほらよ、と画面を彼女に向けた。

『もしもし、どうしたの?何か問題でもあった?』

どうやらスピーカーモードにしたらしい。数回のコールの後聞こえてきたのは若い女の声だった。
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