Everlasting Lovers *ディアラバ*
第2章 彼の部屋へ
「 ……私もです。私も お母さんがいたら きっと こんな感じで、、」
涙で歪んだ目で見つめると、彼女はそっと 私を抱きしめた。
「… 寂しいのね。 私も寂しいの。」
帰り際、クリスタさんは また来てね と そっと微笑んだ。
私は クリスタさんにお母さんを重ね、彼女は 私に スバルくんを重ねていたんだろう。それから、私は毎日のように通い、彼女は暖かく出迎えてくれた。カールハインツさんは 私のおかげで 調子が良くなった と 喜んでいたが、彼女が時折 切なさそうに 遠くへ思いをはせるのを私は知っていた。
そんな日々が続いた ある時、降り積もる雪を見つめ 彼女がポツリと呟いた。
「 … スバル……」
「 ……息子さん、お見舞いに来られないんですか?」
そう言うと、クリスタさんは哀しそうに目を伏せた。
「ええ。あの人は私をここから出さないし、私も… 来ないでってスバルに手紙を出したから。」
「… 会った方がいいですよ、、そしたら 体調だって もっと、」
「無理よ。」
彼女は そっとため息をこぼし、
「私、あの子を愛せないの……」
と、告げた。
そして、クリスタさんは自分のことを静かに語り始めた。