第6章 柱たちとお泊まり会✔
「ま、待て」
「ぷはっ」
咄嗟に義勇が布団を押さえ直そうとしたが時既に遅し。
起き上がった蛍がひょこりと布団から顔を出す。
「ほらな。やっぱ蛍…で…」
「よく眠れたか! 彩千代少…」
「あら、まぁ」
「蛍ちゃん、その格好…っ」
「……」
座り込んだ蛍の体から、ぱさりとかけ布団が落ちる。
その姿を前にした柱達の声が萎んだ。
「ぁ…おはよう、ございます…」
柱達の視線を前に、気まずそうに目元を擦りながら朝の挨拶を零す。
そんな蛍が唯一身に付けているものは、義勇の羽織一枚のみ。
覗く鎖骨や胸元や太腿の無防備な肌色に、思わず義勇は無言で額に手を当てた。
「…破廉恥極まりない」
固まる柱達の中で唯一、無言で事を見守っていた伊黒小芭内がぼそりと一つ。
「冨岡…意外とそういう趣味あったのか…」
「! 違う」
「ただの変態ですよ。これからはぼっち冨岡さんじゃなくて、変態冨岡さんって呼びますね」
「っだから、これは」
「む…ぅ…だから昨夜は彩千代少女の姿を隠していたのか…」
「誤解だ煉獄。だからこれは」
「冨岡さん…蛍ちゃんは鬼でも女の子だから…大事にしてね…」
「だから違うッ」
周りの柱達の盛大な勘違いに、戦闘時以外で声を荒らげる義勇は珍しい。
そんな彼らの反応に最初こそ頸を傾げていた蛍だったが、やがて己の体を見下ろし気付いた。
それと同時にぎょっとする。