第1章 減らない料理
椅子から立ち上がると、隣の席の人と目が合った。
その人は私を、まるで変な人を見るような目で見てきた。
気分が悪くなり、早々にお店を出た。
「隣の席の人、なんか嫌な感じだったねー。」
そう愚痴を漏らすと、湊は困ったように笑った。
何故、湊はこうなってしまったのだろう。
「…ねぇ湊。どうしたの?最近変だよ?」
うつ向く湊。
私は彼の手を握った。
湊は繊細な性格だ。
もしかしたら、彼の中で何かあったのかもしれない。
「私はいつでも湊の味方だからね?」
そう言うと、湊は少し悲しげに微笑んだ。