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アイサレテル [R18]

第1章 目線




「あれ?ピーター君どうしたの?顔が真っ赤!」





なんでもないよと笑って返事をする。






全然何でもなくない。







どうしたんだ僕は?




これは


なんだ?






頭が混乱していた。


単に美しいものを見たからに違いない。


そうに決まってると自分を落ち着かせた。




もうリヒトさんの方は向けなかったが、きっとこんな僕をみて笑っているんじゃないかと思った。














しばらくして、そろそろお開きにと夕食の会が終わり各自部屋に戻った。



僕と父は一緒の部屋だった。

とても広い客室にふかふかな大きなベッドが2つ用意されていて、かなり疲れていたんだろう、僕たちは部屋に戻るやいなやすぐに眠りについた。
















「…はぁ…」




夜中、急に目が覚めた。

ちょっと刺激の多い日だったからだろうか、もう一度眠りにつこうとも全然眠れず、諦めて少し夜風に当たろうと部屋のベランダに出た。




ぼんやりとした月の光と、そよ風がとても気持ちいい。





目を閉じて眠気を取り戻していると
風にのってぶわっと、薔薇の香りが通り抜けた。








(そうだ、あの少女…)








急に昼間見かけた少女のことを思い出した。



そう言えば忘れていた。





この家の子かと考えたが夕食の会には来ていなかったし、そんな紹介もなかったから違うんだろう。







どうして屋敷の庭にいたんだろうと、







彼女のいた庭の方に目を落とすと






人影が見えた。






庭の奥に向かって歩いている人影







月の光に照らされて金糸の長い髪とドレスを来ているのが見えた。




彼女だ。










僕は急いで部屋を飛び出し、彼女の後を追った。








彼女の歩いていった方に走ると、高く大きな垣根の中に入っていく女の子が見えた。





「ねぇ、君!」




追いかけてその中に入った。

中は迷路のようになっていて迷子になりそうなほど広い。完全に僕は彼女を見失った。




適当に進むと道の先に開けた空間が見えた。



真ん中にガゼボがあって、どうやら人が居る。




ねえ!と、声をかけようと思った瞬間

後ろから口を塞がれた。
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