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アイサレテル [R18]

第2章 期待




約束通りにフェイ君に連れられて書庫に向かっていた。





「ルークも来るなんて言っていたのに…」





ルーク君が朝から行方不明で、


どうせ彼は気分屋だからと二人だけで行くことにした。





長い廊下をふたりで歩く。







屋敷の中はどこもかしこも天井が高く
あちらこちらに立派な花瓶やら像が置いてあった。



随分と裕福な家なんだろう。





(僕の家とは大違いだな…)






しばらく歩いて廊下の突き当たりに来たところ






「着いたよ」






ガチャリとノブを回して中へ入った。












「わあ…………すごい」







ずらりと並んだ本棚たち



そしてその奥にぎっしりと並んだ本が壁一面に



下から高い天井の淵まで敷き詰められていた。






「あんまり本が増えたもんだから、上の階と部屋を繋げて書庫にしちゃったんだ。」






本棚もひとつひとつ綺麗な装飾が施されており、高級な図書館のようだった。





「そうだ、僕のお気に入りの絵本、君にも見せてあげたい。ちょっと待っててね…確かあっちの方に」






そう言って本棚の遠く向こう側へとフェイ君が消えていった。











(本当にすごいなぁ。カバーの刺繍とか本まで高級そうだ…)






ぽつんと取り残され、仕方なくあたりを見回る。


すると話し声が聞こえてきた。






声の先に行ってみるとそこには、


リヒトさんと執事がいた。






「あれ?ピーターくん」






リヒトさんが気付いて声をかけてくれた。




執事が振り返り、目が合うとまた睨まれた。



僕は何かしたのだろうか







「どうしたのこんなところで?迷っちゃった?」





そういう顔なのだろう。

リヒトさんはいつもにこにこしている。

全てを許すかのように

全てが許される人かのように






「いえ、フェイ君に案内されて来たんですが…本を探してくるからと待つように言われてまして…」





語尾が小さくなりがちになる。



リヒトさんだし、執事はまだ睨んでいるから緊張してしまった。






そう


なんで睨むのだろう。


気づかないところで何か粗相をしてしまったのだろうか



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