• テキストサイズ

【おそ松さん】哀色ハルジオン

第14章 優しさの罪





…うたた寝をしていた。目が覚めると、部屋におそ松兄さんはいなかった。


時計を見ると、もうすぐ19時。夏で日が長いといっても、さすがに太陽は沈みかけている。


「…あれ…」


いくらクーラーのない部屋で寝ていたとはいえ、酷い汗だ。着ていたTシャツがしっとりと濡れている。


それだけならまだいい。でも…


この胸騒ぎは、なんだ…?


「…一松?お前だけか?」


「カラ松兄さん…」


不思議そうな顔をしたカラ松兄さんが、僕を見て首を捻る。


「おそ松兄さんは?」


「え…知らない。僕寝てたから」


「困ったな…まだ帰っていないのか。もうすぐ夕飯だぞ」


「おそ松兄さん、一旦帰ってきたよ」


「そうなのか?じゃあまた出掛けたんだな。…それにしても遅すぎる」


…胸騒ぎが大きくなる。


僕が探しに行かなければ…ならない気がした。


「…カラ松兄さん。僕が探してくるよ」


「!なら俺も行こう」


「僕1人で大丈夫だから。なるべく早く見つけて帰るって、みんなに伝えておいて」


「…一松…」


胸騒ぎがする。僕が行かなければ。


僕が…


止めなければ。






***


/ 236ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp