第3章 猫王子との関係
そして明後日は来た。つまり日曜日。
奈央「っ!すまん、遅れてしもたわ!」
『いいのだよーん!あり?麗華ちゃんは?』
奈央「麗華はお嬢様なんよ。だから車で現地集合っちゅーわけや」
『へぇ。育ちが違うっていいねぇ』
奈央「そうでもあらへんよ。麗華の家は確かにお金持ちやけど、両親めっちゃ厳しいねん。せやからウチ、麗華と遊んだこと数回しかあらへんねん。結構窮屈な生活してると思うで?」
そんな事を思いながら奈央と街を歩く。集合時間より1時間早く集合し、2人で街をぶらぶら歩く。この提案をしたのは奈央だ。麗華ちゃんも窮屈な生活だっただろうけど、奈央も寂しかったんだと思う。
奈央「それにしても…見違えたで、。アンタめっちゃ可愛いやん」
『そんなっ!嫌だわ!その言葉は受け取れない…だってあたし達、女の子同士なんだからっ…』
奈央「安心したわ、いつものバカや」
『切り替えはやっ!』
中学の頃からよく言われていた。あたしは黙ってさえいればモテる、と。だから昔はそれが悔しくて、告白される度に友達に自慢しまくった。こんなあたしでも好きになってくれる人がいるんだよって。だけど付き合わなかった。
皆友達だと思っていた人ばかりだったから。それなのに何か裏切られた気がして嫌だった。友情から恋愛に?あたしには無理だ。友達は友達だから。
奈央「?珍しいやん、そんな難しい顔するなんて」
『…もー!あたしを何だと思ってるんだい?奈央さん』
奈央「だからいつも言ってるやん、バカって」
『キーっ!悔しい!言い返せないのが悔しい!』
その分女の子の友達って素晴らしい。恋愛が絡むとやっかいとは聞くけど、幸福な事にあたしは性格上そんな修羅場に遭遇したことがない。
『奈央』
奈央「んー?」
『あたしと友達になってくれて、ありがとう』
奈央「なっ…そんなん…改まって言う事やない。せやけど…ウチもありがとう」
『奈央…ギャー!デレいただきましたぁぁぁ!奈央のデレ、ごちになります!』
奈央「うっさいわ!いきなり叫ぶな迷惑やろ!?」
奈央。まだ出会って1週間と少ししか経ってないけど、大好きだよ。