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猫王子と犬平民

第12章 猫王子と体育祭


赤司side


が僕の事を本気で考えてくれると言った。今までの1か月間考えていなかったのかと思うとイラッとするが、まぁ許してやろう。


『赤司ー、紐もらってきたよ。足踏みだけでも練習しとこうよ』

「あぁ、構わないよ」

『…目に見えてルンルンはやめてくんない。さすがにびっくりするから、さすがにキモいから』

「…努力しよう」

『ぶはっ!努力って!あはははっ!やべーよ赤司!さすが赤司!!!腹いてー』


…これじゃあ今までと何も変わらないじゃないか。本当に考えてくれているのだろうか。


『うっわー…赤組最下位じゃん。どうするよ、赤司』

「決まっているだろう、僕が負けるなんてあり得ない。しっかり着いて来てくれ」

『あたしの台詞だっつーの。中の足からいくからね』


最下位でバトンを受けた僕達は、せーの!の合図で足を前に出す。初めて走ったのにも関わらず、僕達の息はぴったりだった。余裕なんてないはずなのに、どうしても口元が緩んでしまう。


放送「おーっと!赤組早いです!男女ペアであるにもかかわらず、どんどん差を縮めてきてます!」

『当たり前だし。あたしらを誰だと思ってんだよ実況』

「走りながら喋ると舌噛むぞ」

『そんなヘマしないっつーの』


ニヤッと笑い、暫く走ると障害物が現れた。なぜ二人三脚なのに?と思うかもしれないが、それが洛山のルールらしい。

アンカーのお題は足を繋いだまま20m先のかごの中にボールを入れる事。外れたら取りに行って入るまで行う。男子はバスケットボール、女子は軽いバレーボールだ。というか、これは僕達に勝てと言ってるようなものではないか。

予想通り、他の組は中々入らなかった。


『ねぇ、これって投げなくてもいいかな?』

「入ればいいんじゃないか。それより」

『心配なんていらねーよ。あたしを誰だと思ってんだ』


僕は3Pを入れるように、はトスを上げるようにして、綺麗に籠へと入れた。
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