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第28章 少女のいる世界


『…中也さん、私とでいいの?ねえ、本当に私とでいいの??中也さんそんなに素敵な人なのに私勿体なくない?ねえ』

「めっちゃ聞いてくるなお前…蝶がいいんだけど?ダメなのか?」

『もう好きにしてください、煮るなり焼くなり食べるなり』

「じゃあ今ここで食べてもいい?」

『へ、……え、あ…ッ、へ!!?』

降り注ぎ始めるキスの嵐に頭が遂にショートした。
どうしようこれ、どうしようこれ、何されてるの今、これ何、どういう状況??

「おい中也ぁ…っ、俺との手合わせほっぽった挙句に目の前で澪とイチャつくっておま…、俺泣くぞそろそろ」

「いいじゃないか別に。あの子のあんな顔見たことないし、幸せになれたようで何よりじゃない」

「?…蝶、お前熱ぶり返した?」

『……、中也さ、んのせ…ッ、…これなんていう公開処刑…っ?』

「公開婚約の間違いだろ」

ちぅ、と唇を軽く吸われればもうたまらない。
見知りすぎた場所で、見知りすぎた人達の前でこんな…

「籍入れたら…人目も気にせず堂々と好きなようにできる証明が出来るなぁ」

『へ…っ、?』

クタリと力の抜けた私に素晴らしい笑顔でそう言う彼に、幸せいっぱいだったはずが、なぜだか途端に不安になってきた。

あれ、なんでだろ、とんでもない契約を交わすことになっちゃうんじゃ。

「とりあえずどこか別の場所に向かう際はキスとハグは必須だからな、つか俺がするけど。寝てる間に好き放題キスしてんのは許せ、まあ許されなくても無理矢理するけど」

『あ、ぅ…?なに、言って…?』

「我慢してたぶん、解禁するから覚悟しろよってこと。いい子の蝶ちゃんなら分かるな?」

『え、と…それは、今と何が違う感じで…?』

「回数と度合いかな…例えば、今我慢できなくなっちまったので、このままここで好き放題心ゆくまでキスさせていただこうと思います。悪いな十一番隊、ちょっとここ借りるわ」

「「「「あ、兄貴が言うなら…ッ、お幸せに!!!!」」」」

何故兄貴なのだろう…想像はつく。
しかし、そこを明け渡した隊士もいれば、席官二人もまた残っていたわけで。

『ッん、ンン…、ッン……っ、♡』

「し、舌入ってるよな?あれ…入ってるよな?」

「一角はピュアだねぇ…」

『っぁ、ン…んぅ…ッンンン…〜〜〜〜ッッ!!!!?♡♡』

簡単に、頭の中が真っ白にされてしまった。
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